抄録
粘土鉱物は一般にその結晶サイズが微小なため, その結晶学的評価は主に粉末X線回折等を用いて行われる. しかしながらその情報は測定された結晶子全体の平均の情報であり, 何らかの不均質に対応した解析はできない. 電子線後方散乱回折(electron back-scattering diffraction: EBSD)はSEMの中で個々の結晶子からの結晶学的情報が得られる点で, 粘土鉱物のような微細な結晶における試料内の不均一を議論するには非常に有効な手法と考えられる. 本発表ではEBSDの粘土鉱物へのいくつかの応用例について述べる.