抄録
モンモリロナイトは、2:1型に分類される粘土鉱物で、Alを中心とする八面体シートを、Siを中心とする2枚の四面体シートが挟み込んだ層状粘土化合物であり、Alが一部Mg2+と置換し層全体として負に帯電し、補うため層間にカチオンが存在する。水とモンモリロナイトが反応することにより著しく膨潤することが知られているが、層間距離の広がりという理解に留まっており水分子と層間カチオンの収着メカニズムについては不明な点が多い。そこで本研究では、含水率の異なるNa型モンモリロナイトの23Naおよび1HNMR測定により層間での水分子およびNaカチオンの局所構造の変化について興味深い知見を得たので報告する。