2008 年 18 巻 1 号 p. 9-14
フローサイトメリーによる細胞分離は、高精度分離が必要な幹細胞研究において必須のツールとなった。目的の細胞集団を分取する方法には、従来から表面抗原に対する蛍光標識抗体が使われてきたが、この方法は多量の細胞を回収するのにはコストと時間がかかり不向きであること、また表面抗原にマーカーが限定されることなどの問題点もある。フローサイトメトリーのソフト、ハード両面の発達ともに、これらの弱点を補完する様々な分取方法が考案されてきた。ここでは、我々が解明してきた膵幹・前駆細胞を通して、フローサイトメトリーによる細胞の分取方法のうち主なものを紹介する。