サイトメトリーリサーチ
Online ISSN : 2424-0664
Print ISSN : 0916-6920
ISSN-L : 2424-0664
原著
生体内マトリックスメタロプロテイナーゼー9の特異的活性抑制に伴う組織内好中球浸潤減少のG-CSF誘導血管新生における意義
佐藤 弥生大木 勇一秋山 晴代ローゼンクヴィスト ジャネットクリツリ イシマル奥村 康小川 秀興代田 浩之ハイジッヒ ベアテ服部 浩一大坂 顯通
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2009 年 19 巻 2 号 p. 53-62

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抄録

造血因子の一つである顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は近年,生体中において血管新生誘導作用を有することが確認され,一部の血管閉塞性疾患に対し,臨床治験も進められている。本研究で,G-CSFによる骨髄由来のCD11b陽性Gr-1陽性細胞,好中球分画の末梢血,組織中への動員では,生体組織中のマトリックスメタロプロテイナーゼ-9(MMP-9)の活性化が重要であることが判明した。またG-CSF によるMMP-9の活性化に伴い,動員されたこれらの分画の細胞は,末梢に形成された虚血壊死組織に対し,血管内皮増殖因子VEGFの供給源として機能し,最終的に血管新生及び組織再生を誘導することが示唆された。

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