サイトメトリーリサーチ
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原著
末梢血に出現した濾胞性リンパ腫細胞の表面抗原形質の解析
林田 雅彦大野 仁嗣北田 佳代竹岡 加陽奥村 敦子津田 勝代岸森 千幸山本 智恵美本庄 原岩谷 良則小橋 陽一郎
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2012 年 22 巻 2 号 p. 33-39

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抄録

濾胞性リンパ腫(FL)はリンパ節原発の節性リンパ腫であるが,しばしば骨髄(BM)および末梢血(PB)への浸潤を認める。リンパ節生検組織(LN)およびBM のflow cytometer(FCM)による細胞表面抗原検査を同時期に実施できた67 症例では,骨髄浸潤は24 症例で認めた。そのうち,同時期にPB を分析した12 症例中10 例で末梢血浸潤を認め,その腫瘍細胞の割合はリンパ球分画の3.7-87.3%であった。腫瘍細胞の割合が多い8 例の白血化症例について,BM およびPB の細胞表面抗原形質をLN と比較した結果,CD10 の発現は3 例で減弱傾向を示し5 例が陰性化した。同様にCD38 は4 例で減弱し3 例が陰性となった。CD23 については3 例が発現の増加を認めた。また,BM におけるそれら3 つの抗原発現の変化は,PB と類似もしくはLN とPB の中間的な変化であった。 なお,LN とPB の腫瘍クローンの異同については,染色体分析における共通異常およびBCL-2/IgH 遺伝子再構成から,同一クローンであることが確認できた。以上より,末梢血B 細胞におけるCD10-/CD23+ は,慢性B リンパ性白血病以外にもFL においても認める共通形質であることから,両者の鑑別は慎重に行う必要があると考えられた。また,BM およびPB におけるCD10 とCD38 の発現の減少は,FL 細胞がリンパ組織のリンパ濾胞から逸脱するのに有利に働く可能性が示唆された。

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