薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
Propentofyllineのウサギにおける体内動態
田端 滋林 昌亮坂口 孝
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1986 年 1 巻 4 号 p. 331-339

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抄録

Propentofyllineをウサギに静脈内ならびに経口投与したときの血漿中濃度推移,尿中排泄ならびに代謝について検討した.
静脈内投与時の血漿中未変化体濃度は,2-compartment modelにしたがって推移した.T1/2(α)は4.6分,T1/2(β)は約21分であり,速やかに代謝をうけて血漿中から消失した.血漿中には,主として酸性代謝産物(carboxyl誘導体)であるA80 2751,A80 2831およびhydroxyl体であるA72 0287が多く出現し,その他hydroxyl体であるA79 2442およびA79 2438が認められた.
経口投与時には,血漿中に未変化体は検出されず,酸性代謝産物(A80 2751およびA80 2831)のみ高濃度に認められた.酸性代謝産物のAUCを計算して,静脈内投与時と比較するとAUC (p.o.)/AUC (i.v.)=0.9となり,胃腸管からの薬物の吸収は良好であることが示唆された.
尿中へはいずれの適用でも,主に酸性代謝産物の形で排泄された.ほかにhydroxyl体であるA79 2438が認められ,未変化体はほとんど検出されなかった.また抱合体は観察されなかった.propentofylline投与48時間以内の尿中排泄率は,静脈内投与時23%,経口投与時26%であった.

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