薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
Posatirelinの体内動態(第3報):ラットにおける代謝物
松永 義正森本 慶子戸田 洋志寺内 嘉章藤井 敏彦宮崎 亀
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1996 年 11 巻 3 号 p. 273-279

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抄録

[14C]Posatirelinをラットに単回および反復静脈内投与し,尿中代謝物の同定および血漿,尿,胆汁,乳汁中代謝物組成を検討した.
1.24時間プール尿中にはTLCから3種の主放射性成分が認められた.これらは質量分析により未変化体posatirelin,(2S)-6-oxopipecolic acid(M2)および(2S)-N-[(1S)-1-[[(2S)-2-carboxyl-1-pyrrolidinyl]carbonyl]-3-methybuty1]-6-oxopipecolamide(M3)と同定された.
2.単回投与後1時間の血漿中には未変化体,M2,M3がそれぞれ約40,36,21%認められた.
3.単回投与後24時間のプール尿中には未変化体,M2,M3がそれぞれ約61,18,18%認められた.
4.血漿および尿中代謝物組成比は単回投与と反復投与間に統計学的に有意な差は認められなかった.
5.投与後24時間のプール胆汁中には主成分のM3が約88%,未変化体およびM2がそれぞれ約8,5%認められた.
6.投与後1時間の乳汁中には未変化体,M2およびM3がそれぞれ約84,8,9%認められた.

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