薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
L-DOPSの各種実験動物における代謝
庄野 文章杉原 輝一大部 良隆小室 勢津子伊藤 正樹水野 佳子木村 寛三中塚 巌吉武 彬
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1987 年 2 巻 2 号 p. 91-111

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抄録
1) 14C-L-DOPSを経口投与したマウス,ラット,イヌおよびアカゲザルの尿中に,未変化体とともに,主要代謝体として3-OM-DOPSおよびPA,VAとこれらの抱合体が,さらに,ラットおよびアカゲザルではHCの抱合体が同定された.
2) 血清,肝臓および尿中には未変化体が最も多く存在し,尿中に投与量の10~20%が排泄された.尿中には代謝体として3-OM-DOPSが6~15%,PAおよびVAの抱合体がそれぞれ10~20%および2~11%排泄され,ラットおよびアカゲザルではHCの抱合体も微量検出された.
3) 14C-L-DOPSを経口投与した各種実験動物の血清および尿中のNEおよびNEの代謝体は,投与前と比べて明らかに増加したが,いずれの実験動物においても,14C-L-DOPS投与後の尿中のNEおよびNEの代謝体の排泄量の合計は投与量の1%以下であった.
4) 14C-L-DOPS投与後のラットの腎臓中NE濃度は,アカゲザルより約6倍高かった.
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