抄録
1) 14C-L-DOPSを経口投与したマウス,ラット,イヌおよびアカゲザルの尿中に,未変化体とともに,主要代謝体として3-OM-DOPSおよびPA,VAとこれらの抱合体が,さらに,ラットおよびアカゲザルではHCの抱合体が同定された.
2) 血清,肝臓および尿中には未変化体が最も多く存在し,尿中に投与量の10~20%が排泄された.尿中には代謝体として3-OM-DOPSが6~15%,PAおよびVAの抱合体がそれぞれ10~20%および2~11%排泄され,ラットおよびアカゲザルではHCの抱合体も微量検出された.
3) 14C-L-DOPSを経口投与した各種実験動物の血清および尿中のNEおよびNEの代謝体は,投与前と比べて明らかに増加したが,いずれの実験動物においても,14C-L-DOPS投与後の尿中のNEおよびNEの代謝体の排泄量の合計は投与量の1%以下であった.
4) 14C-L-DOPS投与後のラットの腎臓中NE濃度は,アカゲザルより約6倍高かった.