抄録
〔14C〕カドララジン3mg/kgを単回経口または静脈内投与後のラットにおける体内動態を検討した.
血漿中放射活性濃度は経口投与後1時間に最大に達し,以後半減期1.8時間で減少した.カドララジソは小腸全域で主に吸収され,静脈内投与後のAUCおよび尿中排泄率との比較より,カドララジソの経口吸収率は90%以上と推定された.
大部分の組織中放射活性濃度は経口投与後1時間で最大となった.放射活性の移行が最も高かった組織は腎臓,ついで肝臓であり,大動脈を含むそのほかの多くの組織中濃度は血漿中濃度とほぼ同様であった.中枢神経系への移行は低かった.大動脈ほか数種の組織で放射活性の消失がやや緩徐であった.
胎仔への移行は母体血漿中濃度より低く,乳汁中放射活性濃度はより高かった.
血漿蛋白結合率は約20%と低かった.
排泄は尿路が主経路で経口投与放射活性の約86%が尿中に排泄された.胆汁中への排泄は約6%と少量であった.
血漿中,尿中代謝物組成は未変化体が主成分で,既知代謝物を含め数種の少量成分が認められた.