薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
14C燃焼基質とラット呼気14CO2排泄パターン(第1報):基質の種類および標識位置の差
百瀬 裕子重松 昭世
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1988 年 3 巻 2 号 p. 147-154

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抄録

ラジオレスピロメトリーを用いて,ラットにi.v.投与する14C燃焼基質とそれ由来の呼気14CO2波形との関係を明らかにする実験を行った.14C燃焼基質として2種類の14C-methionineと,4種類の14C-glucoseが用いられた.
14C-methionineの実験から,呼気14CO2波形のうち呼気中14C放射能および波高に関して標識位置の差と密接に関係していた.14C-glucoseの実験から,glucose分子のどの位置にある炭素原子でもすべて平等に呼気14CO2波形に寄与しており,標識位置の差による波高の高低は,記録さなかった.90分間の14CO2放射能回収率の結果は,上記の関係を説明する証拠として役立った.それゆえ,標識位置の14C原子がdispositionの過程で移される中間代謝物のCO2回路への配分比によって波高が決められることが明らかとなった.

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© 日本薬物動態学会
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