薬物動態
Print ISSN : 0916-1139
Marograstim(KW-2228)の体内動態(3):ラットにおける血漿中動態
桒原 隆奥村 修造小林 智平田 正
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1991 年 6 巻 6 号 p. 875-885

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抄録

KW-2228のラットにおける血漿中動態について検討した.血漿中濃度の測定ぱELISA法により行った.
1.KW-2228をラットに5~150μg/kg静脈内投与したとき,いずれの投与量においても,KW-2228は血漿中より二相性に消失した.しかし,その消失半減期は5μg/kgの0.79時間から,150μg/kgの2.16時間と投与量に依存して延長し,KW-2228の消失に飽和過程の関与が考えられた,この血漿中濃度推移は,Michaelis-Menten型消失を含むモデルに良く適合し,Michaelis定数は2.3ng/ml,最大消失速度は19.27ng/ml/hrであった.
2.KW-2228をラットに15~150μg/kg皮下投与したとき,KW-2228は投与後1.5~2.0時間にCmaxを示し,その後一相性の消失を示した.50および150μg/kgでは半減期は約1.5時間であった.Cmax.およびAUCは,投与量に対して非線形性を示した.
3.KW-2228を50μg/kg1日1回10日間反復皮下投与したとき,反復投与後では6時間以降,単回投与に比較して低い血漿中濃度を示し,半減期の短縮も認められた.
4.rhG-CSFを50μg/kg静脈内および皮下投与後の血漿中濃度推移をKW-2228と比較したが,大きな差は認められなかった.

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© 日本薬物動態学会
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