海洋深層水研究
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駿河湾深層水中で培養したカジメEcklonia cava (Phaeophyceae) 幼体の生長表層海水との比較および光量・水温の影響
二村 和視岡本 一利高瀬 進
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2006 年 7 巻 1 号 p. 9-15

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抄録
カジメ幼体の生長に及ぼす駿河湾深層水, 光量, 水温の影響について調べた.深層水区で培養した幼体の介在生長速度は2.9±0.4mmday-1であり, 表層海水区での生長速度2.4±0.5mmday-1に比べて1.2倍高かった.高光量区 (1.0Em-2 day-1) での介在生長速度は3.0±0.6mmday-1であり, 低光量区 (0.3Em-2day-1) での生長速度 (1.0±0.1mmday-1) に比べて高かった.また, 低・中水温区での介在生長速度は1.8±0.3mmday-1であり, 高水温区での1.5±0.5mmday-1に比べて1.2倍高かった.茎状部の生長については, 試験IIでの高光量区および試験IIIの低・中水温区において高い生長を示したが, 試験Iにおいて深層水と表層海水での生長の差はなかった.このように幼体の生長速度が速いことから, 駿河湾深層水は培養海水として利用価値が高く, また深層水を培養海水とする際には光量約1Em-2day-1, 水温13~16℃が適していた.
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© 海洋深層水利用学会
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