漂着物学会誌
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漂着死体における溺死診断のための検査法について
従来法の問題点と新規法の提案
八代 正彦勝山 碧中前 琢磨肥後 恵理宮本 真智子福元 明子林 敬人
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2021 年 19 巻 p. 1-6

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抄録

漂着死体の検案・解剖において,死因の診断および死亡場所の推定は大変重要な意味を持つ.現在,各法 医解剖機関では体内の各臓器から水中のプランクトンを検出することで溺死の確定診断を行っている.プラ ンクトンの検出方法には主に3種類あり,それぞれ壊機法・酵素処理法・DNA検出法と呼ばれる.しかし, これらの検査は手技が煩雑・機械が高価等の理由により,年々増える法医解剖の全例で実施することは現実 的ではない.そこで我々はダイレクトreal-timePCRを用いたより簡便かつ精度の高い新規の検査法を提案 した.本稿では従来から実施されている3種類の検査法を中心に手技と問題点について述べる.

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