抄録
超高齢社会の本邦では,加齢性難聴による聴覚障害は増加傾向にある.加齢性難聴は生活習慣や環境要因が関与し,高音域聴力には性差がある.難聴は認知症の予防可能な最大リスク因子であり,早期から高齢者の聴力評価と管理,それに続く聴覚補償が重要となる.単に聴力低下のみではない複雑な加齢性難聴の病態から,高齢難聴者が補聴器を有効活用できるように,言語聴覚士によるコミュニケーション改善のための言語聴覚リハビリテーションが求められている.また,近年,難聴を伴わない聴覚障害であるHidden Hearing Loss と聴覚情報処理障害(APD)/聞き取り困難症(LiD)が注目され研究が進んでいる.