抄録
従来は摂食嚥下障害の原因として、脳血管障害や神経筋疾患に視点が向けられてきた。しかし、今後、超高齢社会の進行とともに老人性嚥下機能低下やサルコペニアの摂食嚥下障害を認める高齢者が増加するものと予測される。したがって、医療と介護に加えて予防領域をも視座に含め、摂食嚥下にかかわる器官の運動機能をいかにして的確かつ包括的に評価しつつ、予防的もしくは治療的介入をおこなうかが重要な課題となりつつある。本稿では、フレイル、サルコペニアの定義、診断基準、分類、特性に加えて、フレイル、サルコペニアと摂食嚥下機能との関連性について解説し、筆者が開発した「高齢者の摂食嚥下運動機能向上プログラム(MTPSE)」について概説した。