実験動物
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モルモットコロニーにおけるBordetella bronchisepticaの防除試験
中川 雅郎依田 八治遊佐 智栄春園 繁次大池 正明木口 一朗
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1973 年 22 巻 4 号 p. 289-293

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抄録
自然感染あるいはワクチン接種によって賦与された感染防御能を利用して, B.bronchisepticaに汚染したモルモットコロニーより本菌を防除するために2つの実験を行なった。
実験1は自然感染回復モルモットを集めてコロニーを再編成する試みで, この実験では未感染個体をコロニーから排除し, 生産繁殖を中止して, 感受性個体を少なくすることに重点をおいた。その結果, 78%の菌検出率を示したコロニーが, 4カ月後には11%に低下し, 以後2カ月にわたって排菌個体を淘汰することによって, 最終的には128匹の元親から73匹を残して本菌の排除に成功した。
実験2は, すべての親にアジユバント加マーゾニン死菌ワクチンを接種して未感染個体への伝播を阻止しながら, 既に感染した動物の自然回復を待つ方法で, 繁殖は通常の方式で継続した。その結果, 最高71.3%の菌検出率を示した濃厚汚染コロニーにおいて, 6カ月間に全種親数の約30% (長期間排菌のみられたものと不要になった個体) を淘汰することによって, 本菌をモルモットコロニーから完全に排除することが出来た。
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© 社団法人日本実験動物学会
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