実験動物
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有毒ガス暴露時における鼻呼吸と口呼吸の急性毒性の差異について
中島 克行土屋 哲中島 隆原田 賢治
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1975 年 24 巻 2 号 p. 45-52

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抄録

有毒ガス暴露の際, それによる毒性の発揮を軽減させる方法の一つとして, 急性鼻閉による呼吸抑制の影響について検討した。前報で, 呼吸が抑制されていることを確認した口呼吸マウスを, 鼻呼吸マウス (正常呼吸マウス) を対照として硫化水素, 一酸化炭素, トルエン蒸気に暴露した。その結果, 急性中毒をひきおこす濃度において, 口呼吸マウスの方がこれらの有毒ガスによる運動能力消失時間が著明に長いことが明らかとなった。
以上の事から, 鼻を閉じて口呼吸をすることにより, 有毒ガスによる毒性の発揮を軽減しうる可能性が考えられる。

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© 社団法人日本実験動物学会
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