実験動物
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マウス下垂体除去法の改良
中西 喜彦長澤 弘
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1976 年 25 巻 1 号 p. 13-17

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抄録
従来の周咽頭法によるマウスの下垂体除去法に改良を加え, さらに, 術後死亡率の高いと云われているC3H系マウスの生存率の向上のため, 手術後の管理について検討した。
すなわち, 成熟マウスの頭蓋底の穿孔に際して, ドリルのbarに外径1.5~2mmの牛馬用採血針を切断し作成したトレパンを用いた。これは, 従来の穿孔用barやデンタルポイントを加工したトレパンよりも作成に簡便で, かつ短時間に小さな穴をあけ, 出血, その他の傷害を少なくできた。さらに, 手術中の呼吸管理を工夫し, 下垂体の吸引に際して, 吸引管に圧調節用の穴をもうけ不要の吸引をさけた。C3H/He系マウスは術後penicillinを投与し, 加温覚せい後, 23℃の動物室で飼育する通常の方法ではほとんど数日以内に死亡した。 [4] に準拠して手術前後の副腎皮質ホルモンの投与と, 95%O2―5%CO2ガス中での蘇生およびその後28℃での飼育は著しく生存率を向上した。
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© 社団法人日本実験動物学会
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