実験動物
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近交系マウスにおける生化学的標識遺伝子の重要性
―系統の遺伝的チェックの際生じた問題点
水野 充鈴木 潔富田 武近藤 恭司
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1977 年 26 巻 1 号 p. 43-49

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抄録
東京大学医科学研究所および名古屋大学農学部で維持されている系統の生化学的標識遺伝子 (Hbb, Mod-1, Id-1, Es-1, Es-2) の調査を行い,
(1) CBA系のMod-1遺伝子座位および今回の調査には加えなかったがLdr-1遺伝子座位, C57L系のMod-1遺伝子座位がそれぞれ異なった対立遺伝子に固定している亜系の存在することが明らかになった。
(2) 我が国を起源とする系統と, 戦後外国より輸入された系統について, 特にHbb遺伝子座位に顕著な差が見られた。
(3) 交配ミスや突然変異による系統の遺伝子組成の変化を早期に発見するため, これらの生化学的標識辺伝子を用いて系統の遺伝的チエックを行うことの重要性を示唆し, チエックの際の問題点について多少の考察を加えた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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