1988 年 37 巻 2 号 p. 201-203
帝京大学医学部で採取したネコの血清208例について, ネコ白血病ウイルス (FeLV) とFeLV付随細胞膜抗原 (FOCMA) に対する抗体を検索した。酵素抗体免疫固定法でFeLV抗体を調べたところ, 7匹のネコが陽性を示した (3.4%) 。一方, FOCMA抗体は間接膜蛍光抗体法で調べたが, 陽性ネコは認められなかった。FeLV抗体陽性ネコのいずれにも, 貧血, 白血球増加, リンパ肉腫などの症状はみられなかった。しかし, 7匹のうち3匹がトキソプラズマ抗体陽性で, そのうちの1匹はオウム病クラミジアに対する抗体が陽性であり, 肺炎で死亡した。残りの4匹中1匹は好酸球性肉芽腫で死亡した。さらに, 実験に使用した3匹中2匹のネコも飼育中に風邪症状を呈したので治療を行なった。