Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
平面ケージおよび回転かごケージで測定した雌ラットの生活行動リズムの相違について
篠田 元扶三浦 豊彦田所 作太郎
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1988 年 37 巻 4 号 p. 463-468

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抄録
雌ラットにおける水平性および車回しの両運動活性, ならびに飲水行動活性を6時点灯, 18時消灯の照明条件下で測定した。行動活性の測定には長期連続観察の可能な群大式アンビュロ・ドリンコメーター (水平性運動および飲水行動の同時測定装置) およびホイール・ドリンコメーター (車回し運動および飲水行動の同時測定装置) を用い, 各行動のリズム性の相違について比較検討した。水平性運動活性の日周リズムには6時の頂点位相に加え, 21あるいは24時にピークのみられる双峰性パターンが観察された。これに対し, 車回し運動活性の日周リズムは21時にのみピークを示す単峰性パターンであり, 水平性運動活性との間に明らかな差異が認められた。水平性および車回し運動活性の1日量はそれぞれ発情期および発情前期に著明に増加する4日周期性のリズムを呈した。
一方, 飲水行動活性の日周リズムは, いずれの測定装置においても6時に頂点位相のみられるほぼ同様のパターンを呈した。また, 双方ともその1日量の経日的変化には発情前期に著明な減少を示す4日周期性のリズムが観察された。本実験の結果から, 水平性および車回し運動活性の日周リズムパターンが異なること, 一方, 飲水行動活性の日周リズムパターンは測定装置とは関係なく安定したものであることが示唆された。また, 水平性および車回し両運動活性, ならびに飲水行動活性は, 性周期に起因する生理的変化を反映することが示された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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