抄録
Hartley系モルモットを用いアセチルコリン (ACh) およびヒスタミン (Hist) の吸入による気道の感受性について検討し, 以下の結果が得られた。1.8週齢のモルモットを用い, AChあるいはHistの吸入によって生じる薬液濃度と呼吸困難による横転開始所要時間との関係について検討した結果, いずれの薬物の場合においても用量依存性が認められた。2.8週齢のモルモットを用い, 0.1%AChあるいは0.05%Hist吸入による平均横転開始所要時間±標準誤差について検討した結果, それぞれ377±33sec, 122±5secであったが, 性差は認められなかった。3.8および9週齢の同一モルモットを用い, 0.08%6AChあるいは0.025%Hist吸入による横転開始所要時間について相互関係を調べると, 両者間には相関関係 (r=0.736, p<0.01) のあることが認められた。4.生後2週齢から20週齢に至るまでのモルモットを用い, 0.08%Achあるいは0.025%Hist吸入による横転開始所要時間と週齢との関係について検討した結果, 両薬物とも6週齢をピークとする平均横転開始所要時間の延長 (感受性の低下) が認められた。5.8週齢のモルモットを用い, 0.08%AChあるいは0.025%Hist吸入による横転開始所要時間とそれぞれの閾値との間には相関関係 (ACh r=0.886, p<0.001, Hist r=0.891, p<0.001) が認められた。