抄録
各齢のスナネズミにおける右側の心耳筋細胞の心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP) 顆粒を免疫組織化学的ならびに透過電子顕微鏡的に観察し, さらにこれらのANP顆粒の加齢に伴う変化を形態計測により解析した。免疫組織化学的に, 3および4年齢におけるANP免疫反応、は90日齢, 1および2年齢にくらべ弱かった。90日齢, 1および2年齢間, あるいは3および4年齢間に, 反応差はなかった。電顕的に, 1および2年齢の形態的特徴は90日齢に類似していたが, 3: および4年齢において細胞内にライソゾーム様構造物が散見された。形態計測的に, 3: および4年齢のANP顆粒の数と大きさは, 90日齢, 1および2年齢にくらべ有意に少なく, 小さかった。90日齢, 1および2年齢間, あるいは3および4年齢間の数および大きさに有意な差はなかった。