Experimental Animals
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ニワトリ受精卵の卵黄中のアミラーゼは発生胎仔の膵臓から由来する
池野 武行坂本 秀樹池野 久美子丹羽 克味
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1992 年 41 巻 1 号 p. 19-23

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抄録
ニワトリの受精卵を材料にして, 胎仔発生にともなう卵黄中ならびに膵臓中のアミラーゼを観察して卵黄中のアミラーゼ活性の増加する機構を明らかにする目的で実験を行った。孵卵開始13日目から孵化までの間, 卵黄中のアミラーゼ活性は顕著に増加したが, 卵から発生胎仔を摘出するとそれ以後, 卵黄中のアミラーゼ活性は低下した。アクリルアミドゲル電気泳動像の分析から卵黄アミラーゼと膵臓アミラーゼとは同一であると観察された。胎仔の臓器を材料にしてアミラーゼ活性を測定すると, アミラーゼは主に膵臓に局在していた。以上の結果から, 孵卵日数にともなう卵黄中のアミラーゼの活性増加は, 胎仔膵臓で産生されたアミラーゼが卵黄中に蓄積されるためにおこると考えられた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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