抄録
2つのコンジェニック系統と1つのコアイソジェニック系統を含む12の近交系ラットにおける46のマイクロサテライトマーカーに関する遺伝的プロファイルを作成した。任意の2系統間における多型の割合は, 起源を異にするラット間においては41.3% (F344/NとTM/Kyo) から71.7% (ACI/NとIS/Kyo) であった。2組のコンジェニック系統 (F344/NとF344/N-rnu, BN/fMaiKyoとBN.IS) においてはいずれも0%であった。コアイソジェニック系統のWTC/KyoとTRM/Kyo (WTC/Kyo-tm) においては, 115のマイクロサテライト遺伝子座について比較したが, 異なる対立遺伝子を持つ遺伝子座は見られなかった。今回選ばれた46のマーカーはいずれもアニーリング温度55℃で明瞭なPCR産物を増幅するので, 遺伝的モニタリングに用いるマーカーとして有用であろう。