繊維学会誌
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アクリル系繊維の研究(I)
アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体繊維の延伸について
岡村 勲
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1957 年 13 巻 12 号 p. 861-865

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抄録

1) 残留溶剤は延伸効果に大きい影響をおよぼすことを認めた。
2) AN 40-VdCl 60共重合体繊維の二次転位点は, 70°C付近にあり,延伸温度は120~140°Cが最適であることを認めた。
3) 各種延伸媒体について検討した結果,塩化カルシウム水溶液が最適なることを見出した。
4) 延伸倍率について種々研究した結果, 4~5倍以上に延伸することを必要とする。
5) 延伸速度は8~15m/minの範囲内において,繊維の品質に大差は認められなかつた。
6) 以上, AN 40-VdCl 60共重合体繊維の延伸について,延伸温度,延伸倍率,延伸速度などの条件を検討した結果,湿熱収縮率少く,強度2g/d以上の繊維をうることができた。
本研究について協力された板尻昭一氏および能宗舜一氏に深甚の謝意を表する。

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