繊維学会誌
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布のハンドリングを判定する機械的方法の研究
第6報 織物構造の変化とハンドリング測定値との関係
内田 豊作小林 満
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1958 年 14 巻 4 号 p. 237-241

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抄録

経緯同番手のビスコーススフ織物を各種の組織に製織し, Cloth Cover Factor,交錯率,浮数等の変化に対するf0.8t100と, Flexural Rigidity・圧縮性・Drape係数・触感との関係を検討し次の結果をえた。
1) Cloth Cover Factorの変化する平織,〓斜文,朱子織物ではCloth Cover Factorの増加とともにf0.8t100・Flexural Rigidity・Drape係数・触感による剛さは増加し,圧縮性は減少する。またこれら測定値とf0.8t100との相関は相当高い値を示す。
2) Flexural Rigidity・圧縮性および摩擦係数から計算によるハンドリング評価値(Cal.f0.8t100)を求めて実験値と比較すると,両者は大体において一致する。
3) 同番手,同Cloth Cover Factorの織物の交錯率を増加すると, f0.8t100・Flexural Rigidity. Drape係数・触感による剛さは増加し,圧縮性は減少する。またf0.8t100とこれらの測定値との間には相当高い相関性があるものと推察される。
4) 交錯率Cloth Cover Factorを同じくし,浮数のみを変化した織物を試片としてf0.8t100・Flexural Rigidity・Drape係数・触感による剛さ・圧縮性がどう変化するかを実験したが,一定の傾向は見出しえなかつた。

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