抄録
二種の光架橋ポリビニルアルコール,トリメチルアニリニウムイオンを導入したものおよびしないもの,のフィルム中にインベルターゼを固定化した。固定化状態のインベルターゼの熱安定性を水溶液中のそれと比較するために熱測定をおこなった。熱測定結果は,水溶液中では天然状態のインベルターゼはオリゴマーを形成している事をTしている。水溶液中の変性温度pH依存性があり, pHが等電点に近い程高いが,フィルム中でも同様に変性温度はフィルムを浸すのに用いた緩衝溶液のpHに強く依存した.固定化によって熱変性温度は上昇し,変性のエンタルピー変化は減少した。固定化による変性温度の上昇の主な原因は,ポリビニルアルコールのネットワーク中にインベルターゼが高濃度で固定化されたことによると考えられる。