抄録
線形推定に基づく逐次重点サンプリング型の粒子型フィルタを提案する.従来広く用いられている事前モデル型サンプリング法では,急激な状態変化が発生したときに予測が外れ,事後分布の近似精度が劣化してしまう.提案手法は,線形推定による大まかな予測に基づいて重点サンプリングするため追従性に優れている.まず,線形最小二乗法に基づく重点関数の設計法を提案し,優決定の連立方程式を毎時刻解く必要がない方法を示す.次に,誤追跡による外れ値を考慮して線形ロバスト推定に基づく方法へ拡張し,数値探索に頼らない方法を示す.最後に,大きな状態変化の検出により事前モデルと提案する重点関数を切り替える方法を提案する.これにより,滑らかな推定と急な状態変化の検出の両方を扱うことができる.急な運動変化を含む実画像に対して従来手法と比較し,増加する計算時間は高々1ms/frameでありながら,高精度かつ頑健な推定を達成していること示す.