抄録
従来,ロボットの知的な振る舞いの実現において,アクチュエータの違いによる影響は小さいと考えられ,多くのロボットにはアクチュエータとしてモーターが用いられてきた.しかし,生物は,粘弾性を有する筋肉を用いており,近年,筋肉の持つ力学的性質が知的な振る舞いの実現に寄与しているのではないかと考えられている.
本研究では,環境に適応するために必要とされる時間(学習時間)の長さが淘汰圧として働くことで,筋肉のような粘弾性を有するアクチュエータが進化的に獲得されると考え,シミュレーションによりこれを検証する.具体的には,2リンクマニピュレータがボールをキャッチするタスクを例にマニピュレータを進化させ,環境の変動の大きさに合わせた適切な大きさの粘弾性を持ったアクチュエータが獲得されるとともに,この粘弾性を用いて身体像が構成され,短時間に学習が可能となることを示す.