本稿では,仮想空間内の街中を散策することで日常生活動作の訓練をする,足踏み式歩行シミュレータを開発し,高齢者と若年者で運動機能と認知機能の比較を行ない,本シミュレータの使用方法について検討する.開発したシステムは,PC,バランスWiiボード,ハンドル,ケージからなり,ボード上で足踏みすると仮想市街を歩くことができる.2009年11月~2010年5月,高齢者5人(男性3人,女性2人),若年者9人(男性9人)が本システムを利用した.運動機能が衰えていなくても認知機能が低下する傾向があることや,課題の難易度が上がることで注意が分散されることが示唆された.これらの結果を踏まえ,本システムの利用方法について検討した.