抄録
近年,デジタルカメラなどにおける顔認識のように物体認識の研究が盛んに行われている。物体認識の方法は,学習ベースとモデルベースに分類されるが,現在盛んに研究されているのは学習ベースの物体認識である。学習ベースの物体認識は、多数の学習サンプルデータから共通な特徴を取り出すというもので、見た目の変化がほとんどない学習データに対しては有効であるが、学習データに見た目のばらつきがあると認識率は低下してしまう。そこで本研究では、物体の状態に頑健な新しい学習ベースの物体認識手法を提案する。本研究では、事前に学習データを見た目の類似したグループにクラスタリングし学習することで、安定した学習を行い精度の高い個々の識別器を構築している。その後、構築した個々の識別器を1つに統合することで物体の見た目に頑健な識別器を構築している。実験では提案手法における画像のクラスタリングが識別精度の向上につながることを実証する.