抄録
近年,動物の癒し効果を利用したアニマルセラピーに代わる手法としてロボットセラピーが注目されている.ロボットセラピーは現在,ロボット介在療法(RAT)とロボット介在活動(RAA)に分類されている.ロボットセラピーはアニマルセラピーに比べ感染症等の問題が解決できるだけでなく,導入前の調教や導入後の維持・管理が容易といった利点がある.ロボットセラピーでヒーリング効果を得ることを考えた場合,ロボットが動物的な動きをすることが最も重要である.本研究はAIBOを使用し,人が動物らしいと感じる4脚歩行ロボットのための歩容生成を目標としている.これまでにカオス時系列解析を用いて歩行時のバランスを評価し,実環境での動物らしい歩容の生成を可能にしている.本報告では,RAAにおける高齢者のコミュニケーション頻度を増加させるために,AIBO歩行時に動物らしい仕草を加えて人間の感性に影響を与えるか検証を行った.