多くの工学系の高等教育機関や組込みソフトウェア開発企業では,CPUボードを用いた学習用教材を利用して,初学者を対象に組込みシステムの開発の演習を行っている. しかし,現状の教材では乏しい入出力インターフェースによって学習者の興味関心を引き出す要素が少ない点,近年需要が高まっている画像や音声などのマルチメディア処理に対応していない点など,多くの問題点があることがわかっている. 本研究では,これらの問題に対応するため,フルカラーディスプレイやMP3再生機能などの周辺機器を標準搭載した新たな組込み学習教材の開発を行った.この開発には地元の組込みシステム開発企業である東京ドロウイング株式会社と共同で行っており,この教材開発への取り組みや,この組込み学習教材の利点や機能概要,その動作例を説明する.