抄録
形式概念分析とは,オブジェクトと属性を表すコンテクスト表から,概念束と呼ばれる概念構造を得ることができるデータ解析手法であり,データマイニングやWEB ページの可視化,バイオインフォマティクスなどの分野に応用されている.しかし,形式概念分析の問題として,属性数の増加に伴って得られる概念束が爆発的に大きく,複雑になってしまうことが挙げられる.
本研究では,束の複雑さを表す指標を提案し,その妥当性を検証する.人が概念束の読み取りをする際,概念間の関係が持つ規則性の推測を行うことが多く,エッジの接続状態にムラがあり,その推測と関係との間に大きな違いがあれば,関係性の把握は困難となる.よって,提案指標は概念間の関係を表す概念束のノードの次数と,その分散に基づき定義した.そして,3属性から生成し得る計92個の概念束および属性数の異なる3つの束に提案指標を適用することで,検証を行った.