抄録
現在,高齢化に伴なって,日本における全人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty :TKA)の術数は年間7万人以上となり,10年前と比較し2倍以上となっている.全人工膝関節置換術において軟部組織のバランス調整が重要であることは,周知のことであるにもかかわらず,術中におけるバランス調整法は術者の過去の経験に依存している.非熟練者においては過去の経験の少なさからバランス調整により大きなバラつきが生じる.そこで,我々はこのバラつきを低減するために,客観的な指標を開発してきた.今回の報告では,実際のバランス調整の20kgFの荷重を負荷した際の応力分布を圧力センサを用いて計測する.結果では,屈曲及び伸展位における応力分布を用いた荷重移動を示した.結果として,術中計測により近い荷重での応力分布を示すことができた.今後の課題は更なるセンサの精度向上,及び臨床試験による計測である.