抄録
近年、多くの現代人がストレスを抱えていると言われており、癒しを求める要求が社会的に高まっている。それに伴い、リラクゼーション効果を与えるシステムの研究開発が盛んに行われている。しかしながら、指標として用いた生体信号も異なっており、リラクゼーション効果を計測する手法もさまざまで、システムとして確立されていない。そのために筆者らは、サウンド生成に同期・非同期が制御可能な大規模カオスを用いて、音高、音長、音量を決定し、サウンド生成を行なうインタラクティブ・カオティック・アミューズメント・システム(ICAS)を開発してきた。本研究では、脳波情報から本研究で提案したユーザのリラックス度合いの指標を取得し、その値によってICASのパラメータの自動チューニングを行うシステムを構築した。被験者にサウンド生成システムを使用してもらい、被験者が生成されたサウンドを聴いた時のアンケート結果と本 研究で提案するリラクゼーション効果推定結果の比較を行った。その結果、被験者のアンケート結果と本提案手法の指標に相関があることが確認できた。