抄録
音楽による集中度向上の研究の一つにモーツアルト効果がある.モーツアルト作曲の音楽を聴くことによって聴視者の作業効率が向上する.このモーツアルト効果は単なる興味範囲の話題ではなく,各種の心理実験による実証が行われている.例えば,モーツアルト音楽(K.448)を受聴することによりIQ が8~9 ポイント上昇したとの報告や脳内で主として 波が上昇して空間回転タスクの問題の正答率が高くなったとの報告がある.本研究では,集中度を高める要因を分析するため,モーツアルト音楽を高音域と低音域に分割し,それらの音域の音楽を受聴した前後での集中度の比較を行なう.具体的には,各種の中間値分割法により8 分間のモーツアルト曲(K.218) を高音域と低音域に分割し,被験者に各音域前後で計算問題を課す.計算問題の正答率と回答時間を観測し,計算問題の回答中の脳波(EEG) を測定して,モーツアルト効果と計算能力の向上との関係を議論する.