抄録
近年,多目的最適化問題に遺伝的アルゴリズムを適用した多目的遺伝的アルゴリズム(Multi-Objective Genetic Algorithm : MOGA)に関する研究が盛んに行われている.また,MOGAが工学的な分野に応用され始めたことにより,単に優れたパレート解を得るだけではなく,得られたパレート解から知見を抽出することも重要になってきている.このようにMOGAにより得られたパレート解の解析を行う上では,評価値空間と設計変数空間の両方を考慮する必要がある.本稿では,個体間距離関係の非対応性を定義するとともに,評価値空間と設計変数空間における個体間距離に対するスピアマンの相関係数を用いて,個体間距離関係の非対応領域を抽出する.また,得られた非対応領域に対する特徴解析を行う.