抄録
自然界の多くの構造は,単純な構造を持った構成要素間の局所的な非線形の相互作用によって形成されている.このような構造形成は,人工生命分野において「創発」と呼ばれている.創発型の構造形成の利点は,単純な構造から予想できない複雑な構造が生まれることである.一方で,最終構造がどのようになるかを予想することが困難という欠点がある.本研究では,所望の構造と幾分か類似する多彩な新奇構造を生成可能な創発型構造生成手法を提案する.さらに,その方法の考え方に従う画像生成手法を具体的に実現する.その手法は,与えられた画像の一部の画素データに対して遺伝的クラスタリング手法を適用して,その画像にある程度類似する多彩な画像を生成する.