岩鉱
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論説
東北日本山形県大峠の金銀鉱化作用および関連した火山活動の年代
曽 南石井沢 英二渡辺 公一郎板谷 徹丸
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1996 年 91 巻 8 号 p. 297-304

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抄録
大峠鉱床における金銀鉱化作用と熱水変質作用の年代を4個のセリサイト試料についてK-Ar法で測定した結果,3.93±0.15,3.99±0.10,4.10±0.10,4.15±0.10 Maが得られた。これにより深部の含金銀石英脈と現在の地表に存在する粘土鉱床のセリサイト帯が同じ時期に生じたことが示された。この年代は大峠鉱床の北東3 kmに位置する八谷鉱床の金銀鉛亜鉛鉱化作用の年代と近いものであった。したがって,両地域の鉱化作用が一連の熱水系の中で生じたという可能性がある。大峠層上部の溶結凝灰岩の年代として4.85±0.10 Ma(黒雲母,K-Ar年代)と4.60±0.30 Ma(ジルコン,フィッション・トラック年代)が得られた。これらの年代は大峠地域の火山活動の最後の時期を表している。

Karasugawa Formation 烏川層,Kuroiwa Formation 黒岩層,Mayoizawa Mudstone Member 迷沢泥岩部層,Ninosawa Formation 二の沢層
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© 1996 日本鉱物科学会
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