岩石鉱物鉱床学会誌
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中部日本霧ケ峯火山の岩石学的研究
山崎 貞治
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1965 年 54 巻 3 号 p. 92-103

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抄録

本火山の岩石は安山岩及び石英安由岩であり,カルクアルカリ岩系に属する。アルカリー石灰指数や分化の晩期に於るK2Oの特徴的増大等から本火虫の母岩漿はソレアイト岩系岩漿とは関係ないと思れる。分化の中期に角閃石斑晶の晶出が行れているが角閃石斑晶の有無による岩石総化学成分の不連続は認められない。斑晶角閃石の有無にかかわらず石基中にしばしば分化脈が存在し,その石基に角閃石が晶出している。分化脈と母岩の化学成分の関係や鉱物組合せの差等から考えてこの分化脈は揮発性成分の移動に伴つて生じたものと考えられる。角閃石の晶出には揮発性成分の濃集が大きな役割を果しているようである。

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