岩石鉱物鉱床学会誌
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北八ケ岳火山雨池山産カルクアルカリ質安山岩中のケルサンタイト包有物
応地 善雄竹下 寿
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1970 年 63 巻 1 号 p. 1-15

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抄録

北八ケ岳火山雨池山円頂丘を構成する角閃石・普通輝石・シソ輝石・安山岩中にみつかった輝緑岩様包有物は,斜長石・黒ウンモから成る優黒質脈岩であるケルサンタイトの特徴を有するが,さらに一層多量の鉄鉱を含有しその化学組成は,カルクアルカリ質安山岩中にみつかる角閃石ハンレイ岩と同よう超苦鉄質である。筆者らは,本ケルサンタイト包有物の成因を論じ,やや苦鉄質のカルクアルカリ質安山岩マグマ中において,これから早期に晶出したカンラン石にたいする外来捕かく物質と,揮発性成分の影響によって,黒ウンモに富み斜方輝石と鉄鉱を伴う優黒質包有物が分離されたものである,とした。超苦鉄質角閃石ハンレイ岩とは成因を異にする。

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