日本アルプスの常念岳の北東で,白亜紀後期~古第三紀の花崗岩中にアルカリ岩の小岩体が発見された。このアルカリ岩は三つのタイプがある。すなわち
タイプI: 閃長岩~石英閃長岩(マイクロクリン-曹長石-エジリンオージヤィト)
タイプII: 石英閃長岩~アルカリ花崗岩(曹長石-石英-マイクロクリン-エジリンオージヤィト)
タイプIII: アルカリ花崗岩(石英-マイクロクリン-曹長石-ヘデン輝石)
このアルカリ岩の産状,岩石学的性質,化学組成を簡単に記載し,それらが交代性起源であると結論した。これらのアルカリ岩は仁科山地の亜アルカリ岩として知られたものと違って,むしろ瀬戸内海地方の閃長岩類に似ている。