岩石鉱物鉱床学会誌
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日本列島産玄武岩のREEパターンの水平方向変化について
藤巻 宏和倉沢 一
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1980 年 75 巻 9 号 p. 313-322

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抄録

有珠山,伊豆大島,八丈島,新島,十勝岳,一の目潟,城星山,富士山の玄武岩及び,島根県浜田のネフェリナイトのBa及びREEを同位体希釈法で定量し,既に報告されているREEのデータとあわせて,日本列島に産する玄武岩質火山岩のREEパターンの水平方向変化を調べた。軽希土類元素は太平洋側から日本海側にゆくに従って徐々に増加する。重希土類元素の変化は少なく,軽希土類元素の増加は徐々である。又岩系が異なればREEパターンが必ず異なるわけではない。例えば,一の目潟の高アルミナ玄武岩は,アルカリ玄武岩に近い下に凸なREEパターンを示し,太平洋側の新島の高アルミナ玄武岩のREEパターンは,有珠山のソレアイト玄武岩のREEパターンよりも傾きが小さい。このようなREEパターンの変化は,トレンチからの距離に対応していると考えられる。

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