南九州主要火砕流堆積物の層序とフィツション・トラック年代

抄録

こみいった南九州の火砕流地域の火山層序を明らかにするには,従来の研究方法(層序学的,岩石学的,鉱物学的研究など)だけでは不十分であり,年代や古地磁気学のデーターも必要である。この論文では南九州の火砕流11試料について,ジルコンのフィツション・トラック年代がgrain-by-grain外部検出法で求められた(阿久根1, 1.9±0.3, 串木野, 1.7±0.4, 出水B, 1.7±0.3, 阿久根2, 1.5±0.2, 出水D, 1.5±0.2, 隼人, 0.9±0.3, 下部加久藤, 0.30±0.09および0.31±0.15, 昌明寺層, 0.21±0.11, 阿多, 0.039±0.024, 姶良<0.058, 全てm. y.)。 これらの年代と既報のフィツション・トラック年代および古地磁気学的データーをもとに,南九州の火砕流について新しい層序表が試案として示された。