岩石鉱物鉱床学会誌
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山陰帯に産する根雨花崗岩体,およびその暗色包有物についてのSr同位体比の研究
飯泉 滋三島 保津美岡本 康成本間 弘次
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1984 年 79 巻 3 号 p. 89-100

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抄録
根雨花崗岩体を構成する花崗岩類5個,およびそれに包有される暗色包有物6個についてRb・Sr含量, Sr同位体比を測定した。その結果,それらは65±0,3 Ma の年代と0.70475±0.00001の初生値を示すアイソクロンにプロットされる。この初生値は山陰帯の白亜紀~古第三紀火成岩類の中で最も低く,根雨花崗岩体を形成したマグマは,下部地殻(あるいは上部マントル)で生成し,上部地殻物質とほとんど混成作用を行なわずに上昇したものと考えられる。暗色包有物は,根雨花崗岩体を形成したマグマからの早期晶出相であると考えられる。
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