岩石鉱物鉱床学会誌
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電気陰性度とポテンシャルエネルギーに対する生成熱の比の間の関係
大橋 晴夫
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1984 年 79 巻 8 号 p. 329-333

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抄録

球状イオンの電気陰性度(x)は,ポテンシャルエネルギー(ne2/r)と生成熱(-ΔH°298)との比に対し,次式によって関係づけられることが明らかになった。
-ΔH°298/(ne2/r)=a/x-c+b,
ここで, a, b, c は経験的にもとめられた定数, n は電荷数, e は電子の電荷, はイオン半径である。こりの結果は,熱化学の方法によりもとめた Hg2+ 及び Pb2+ の電気陰性度が,ゆがみのない結晶場におけるものであることをしめしている。またこの経験式を用いると,正八面体席における, Ti3+, V3+, Cr3+ の電気陰性度は,それぞれ 1.45, 1.6, 1.65 と見積られる。

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