1985 年 80 巻 9 号 p. 406-409
九州外帯の4花崗岩体から,10試料の花崗岩について,ジルコンのフィッシ・トラック年代が決定された。大隅花崗岩, 13.6±1.Om.y.(6年代値の平均),高隅山花崗岩,12.9±1.Om.y.,市房山花崗岩,12.0±0.9m,y.,紫尾山花崗岩,12.5±1.1m.y.(2年代値の平均)。これらの年代は,4花崗岩体がほとんど同時に冷却したことを示している。
又,大隅花崗岩からはアパタイトの年代がpopulation法で決定され,12.0±2.6m.y.という値を得た。この年代はジルコンのフィッション・トラック年代とほとんど同じであり,このことから,大隅花崗岩は約12m.y.前に貫入が完成し,その冷却は非常に早かったことを物語っている。