抄録
これから胃の隆起性病変のシンポジウムを始めたいと存じます。初めに司会として言葉の意味について一寸説明しておきたいと存じます。 この隆起性病変という言葉は一昨年の札幌の秋期消化器病学会の胃ポリープというシンポジウムの際に本席の第一演者山田さん並びに市川さんらから提案されたものであります。隆起性病変はもち論ポリープ性病変を主体としておりますが,そのポリープという言葉の病理学的なクライテリアが十分にはっきりしていない。そこでそれをはっきり決めていただく間,一応この種の病変を綜括して表現する言葉ということで提案されたものであります。 その後多数の病理の方々にこの方面の検討をお願いした結果,一応ポリープとは,胃の粘膜の局在性の増殖によって胃内腔に突出した病変ということに決まりました。そしてそれを臨床的に応用するには茎柄のあるポリープに限っておいて貰えばまず食い違いは最少にくいとめられるであろうということ。またそれ以外の病変はポリープではなくてポリープ様病変(polypoid lesionr)と呼んでおいたらよいであろうということになりました。 このようなわけで次第に言葉の意義も明らかになって参りましたが,この隆起性病変に対する各方面の関心はますます高まるばかりですでに何回かシンポジウムに取上げられながら未だにすっきりしないので,今回は是非それをはっきりさせろという御命令を受けているのであります。そんな点をお含みの上でシンポジウムを進めていただけたら幸いと考えております。